はじめに
Copilot Studio は Power Apps や Power Automate とは異なり、ユーザーライセンスではなくテナントライセンスとして購入を行うライセンス形態となっています。
そうなってきた場合、環境/エージェントごとなどで利用できるメッセージ数に上限を設けたい!というような要望が出てくると思います。
この記事では 2025/09/01 時点での環境/エージェントごとにメッセージ消費の制限を行う方法を備忘録も兼てまとめたいと思います。
参考文献
Copilot Studio の利用制限
作成権限
Copilot Studio で作成したエージェントを利用するには、メッセージパックに値するライセンスをテナントで購入する必要があります。
その他にも、エージェントを作成するにはユーザーに対して以下何れかを割り当てる必要があります。
- Microsoft 管理センター にて Copilot Studio ユーザー ライセンス (無料) を作成者に割り当てる
- Power Platform 管理センター で "Copilot Studio 作成者"ロールを割り当てる
- Microsoft 365 Copilot ライセンス を割り当てる
- (Copilot Studio 試用版ライセンスを割り当てる)
環境ごとに利用可能なメッセージ容量を割り当てる
Power Platform 管理センター にアクセスして、 ライセンス > Copilot Studio を開きます。
"Manage Copilot Credits" もしくは "セッションの管理" を選択します。
これは現状どちら選択してもそんなに変化はありません。
どちらも環境一覧が表示されますので。
Manage Copilot Credits
セッションの管理
制限を設定したい環境を選択します。
ここでは、テナント内で設定可能なメッセージ数の範囲内で、メッセージの制限や、超過時の挙動、超過の通知を設定することが可能です。
"Copilot Credits" にてその環境で利用可能なメッセージを割り当てることが可能です。
ここで設定したメッセージ数は他の環境による影響を受けることなく利用可能です。
つまり、テナント利用可能なメッセージ容量を超過してもこの環境には影響がなく、また他の環境からここで割り当てられた容量を消費される。という恐れがないということですね。
従って、プロジェクトの予算などでメッセージパックを購入した場合でもこちらの容量を設定するのがよいでしょう。
もちろんテナント全体での容量の割り振りの際でもこちらの設定を利用します。
こちらの設定はデフォルトは0になっています。
"容量の超過" では記載の通りですが、「この環境で容量がゼロに達したときの対処方法を選択します。」
現在設定可能なのは、容量超過時にテナントにプールされている容量を利用するかどうか?となっています。
こちらの設定はデフォルトでオンになっています。
"超過の通知" では、設定したメッセージ容量の X% になったら環境管理者に向けて通知を送信する機能です。
こちらの設定はデフォルトでオフになっています。
その他知っておくとよい制限は以下ですかね。
しきい値の使用量
テナントが前払いキャパシティの 125% に達すると、強制措置がトリガーされます。
超過分への対応 (125%)
カスタム エージェントは無効です。 エージェントを無効にしても、進行中の会話は中断されません。 その後のエージェントの呼び出しの試行はすべて、容量が増加またはリセットされるまで拒否されます。
強制施行された後のエージェントの動作
強制施行がトリガーされ、現在の会話が終了すると、エージェントは無効になります。 エンドユーザーが施行後にエージェントと対話しようとすると、次の応答が表示されます: 「申し訳ありませんが、どのようにサポートしたらいいのかわかりません」
この 125% の制限はあくまでもテナントの容量に対する措置となるようです。
環境ごとに割り当てたメッセージ容量にはこの 125% の措置は適用されないので注意してください。(環境ごとの制限にも適用されちゃうと、容量凄い超過できちゃいますからね。)
エージェントごとに利用可能なメッセージ容量を割り当てる
エージェントごとに利用可能なメッセージ容量を割り当てたい場合は先ほどと同様に、Power Platform 管理センター にアクセスして、 ライセンス > Copilot Studio を開きます。
"エージェントを管理する" を選択します。
こちらでは公開済みのエージェントが表示される(はず)です。(こちらに関しては公式ドキュメントがどこにあるのかわからなかった)
制限を適用したいエージェントの三点リーダーより "制限を設定する" を選択します。
すると環境ごとの制限時と同じような制限設定が表示されます。
"Copilot Credits" ではそのエージェントで使用可能なメッセージ容量を設定します。
ここで設定可能なメッセージ容量はその環境で利用可能なメッセージ容量の範囲内となっております。
"通知と調整のしきい値" は "Copilot Credits" を設定した場合に設定可能です。
"使用を停止する" にチェックを入れた場合は "Copilot Credits" で設定したメッセージ容量となった場合は対象のエージェントは動作しなくなります。
"超過の通知" は "Copilot Credits" で設定したメッセージ容量の X% となった場合にエージェント所有者に通知を送ります(ここ要検証)。
おわりに
Copilot Studio はエージェントの単純な機能だけでなく、管理回りのアップデートも頻繁に行われています。
まだまだ実運用を行う上では、あの機能もあればいいなーというのが多くあるかもしれませんが(特に管理回り)、日々日々アップデートが行われていますので、ロードマップを確認するなどして、組織やプロジェクトでの Copilot Studio の管理戦略を立てていきましょう。
欲しい機能がこないなーという場合は是非 Issues を挙げてください!