はじめに
Microsoft Build 2025 にて Plan in Power Apps に GA (Generally Available) が発表されました👏
まだ Keynote をご覧になってない方は是非ご覧になってください。
今回の記事の本筋とはずれますので細かくは記載しませんが、これまでのそれとは一味違います。
さて、本題に戻ります。
今回は GA された Plan ですが、そんな Plan にもいくつか Preview 機能が追加されていましたので、そちらの機能検証を行っていこうと思います。
なお、 Plan について触れられていた Build のセッションはこちらになります。
Plan を利用してみる
ヘルプデスク対応アプリを作成してみる
よくあるものかもしれませんが、社内の問い合わせに対して管理、回答を行うようなソリューションを作成してみます。
概要としてはこんな感じです。
プロンプトは以下
社内の Power Apps や Microsoft 365 に関する問い合わせを管理、回答するソリューションを作成する必要があります。
こちらのソリューションの簡易構成図は添付の"ヘルプデスクソリューション.png"を参考にしてください。 ユーザーからの問い合わせは Teams から行われます。 問い合わせ内容や回答は一覧で確認できるようにし、またその問い合わせのステータスやジャンルも見られるようにし、適宜フィルターできるようにしたいです。
問い合わせがあった際は担当者に通知を行います。その後、回答案を生成して担当者に回答案の提案を行います。
要件に応じて要件エージェントがユーザーの要件をまとめてくれるので少し待ちます。
生成が完了したようですので中身を見ていきましょう。
まずはユーザーの要件からみていきます。
今回のアップデートで「プロセスを表示する」を選択することでどういうプロセスが考えられているのかが見えるようになったので確認してみましょう(Preview)
ちょっと違うかな。
ユーザーがとる順番としては
- 過去の問い合わせから自分の求める回答ないか確認
- ない場合は問い合わせ
になるかと思いますのでちょっと修正を行いましょう。
こちらのプロセスはドラッグ & ドロップで移動できるほか、対象のプロセスの ○ どうしをつなぐことで線を引くことができます。
線を消したい場合は対象の線を選択したうえで "Back Space" を選択します。
また不要なプロセスはゴミ箱アイコンから削除することもできます。
プロセスでの文章の記載がわからない場合は Copilot を活用することも可能です。
プロセスが足りない場合は次のステップに挿入したいプロセスを選択して、上の方に表示される図形を選択します。
プロセスを変更し終えたら「件の変更を検証する」で Copilot に最終チェックしてもらうと整合性をとった要件にしてくれます。
最終てきに出来上がったプロセスがこちら
なおプロセスを変更してもこちらの要件は変わってくれない模様
変更してよーーーー
「編集」でこちらも試してみましたがダメでしたね...
少し要件の箇所も修正したうえで次に進んでみます。
「良好」を選択します。
スクショ撮り忘れましたが、プロセスと要件の文章に齟齬があると同期をするようにプロセスエージェントが提案してくれます(受け入れる選択肢しかないんだけど)
そうすると、要件をもとにプロセスを同期修正してくれます!!
プロセスから修正するとダメってことですね(Preview だから仕方ないと思おう...)
次のステップにて提案されるのはデータ構成です。
テーブルの鉛筆アイコンを選択するか、左のペインで「データ」を選択することで詳細なデータ構成が確認できます。
このデータの表示から戻るときは「戻る」ではなく、左のペインの「概要」(データの上)になりますので気を付けましょうね(N敗)
さて、ヘルプデスクやユーザーをテーブルに格納しているようですが、既存のユーザーテーブルを参照するようにしようと思います。
本当は "aaduser" テーブルを利用したかったのですが、 Virtual Table は現状追加できないっぽいので "systemuser" テーブルで我慢することにします。
「既存のテーブル」から追加したいテーブルを選択します。
既存のユーザーテーブルは不要なので削除します。
次に追加したテーブルとのリレーションシップを作成してあげます。
問い合わせ1に対して回答多の構成なんですね。
なるほど。これで試してみますか。
次に生成するアプリやフロー、エージェントの提案です。
まぁこれでもいいですけど、管理アプリはモデル駆動で作って欲しいかな。
ということでお願いしてみます。
直してくれましたね!
また抜けていたジャンル自動生成エージェントをしれっとここで追加してきていますw
良さそうなので「保持」を選択のうえ、「良好」を選択します。
次にオブジェクトの作成に移るようなので、テーブルの保存とソリューションの指定を行います。
なお私忘れてましたが、テーブルの内部名など修正してあげないといけなかったですね。
テーブルの生成が完了したら続いてアプリやフローなどの作成です。
これは自動で生成してくれるわけではなく、スクショのように作成のアイコン(+)を選択する必要があります。
ということでモデル駆動型アプリを作成してみます。
作成されたアプリはこんな感じ
まぁまぁこんなもんかな?
次にジャンル自動生成エージェントを作成してもらいます。
生成されたエージェントがこちら
んーーーなんかダメな気するなーーー
続いてフローの作成です。
はい。ダメでした。
***Business Problem: このソリューションは、ユーザーが問い合わせを管理し、ヘルプデスクが迅速に対応するための効率的なサポートを提供します。
***User Role: ヘルプデスク - 新しい問い合わせがあった際に通知を受け取ることで、迅速に対応できるようにする。
***User Story: 新しい問い合わせがあった際に通知を受け取ることで、迅速に対応できるようにする。
***Available Data Sources: Dataverse Tables - 問い合わせ
***Flow Description: 問い合わせ通知フロー - 新しい問い合わせがあった際にヘルプデスクに通知を送るフロー。
自分でフロー作成のプロンプト書き換えてみます。
Dataverseの問い合わせテーブルに新しい行が追加された際にヘルプデスク担当者に向けてTeamsで通知を送信します。
これなら動きますね。
とはいえ、ここまで Plan でやって欲しいですね。だってこれだと既存機能とそんな変わらんですし。
最後に回答生成エージェントの作成を行ってみます。
ダメっぽいなー...
さっきのエージェントもそうですが、トリガーに何も入ってないんですよね。
ここまで作成してくれるので、ここからは手動作成って感じになりそうですね。
おまけ
既存のソリューションから Plan を作成することもでき(るようになり)ます!
おわりに
Plan Designer の説明でした。
これまでのアプリやフローの作成を一変するような機能ですが、現状そんなパーフェクトには動いてくれないな。というのが正直な感想です。
ただ、要件をちゃんと言語化できる人で、そこから必要なオブジェクトに当たりが付いているような人にとってはゼロベースで作成するよりもこちらの方がいいかもしれません。
なにより、要件の言語化やプロセス図を作成してくれますからね。
こちらはソリューション内に含まれていますので後でいつでも確認できる他、要件が変わった際はまたここから修正していけば、ドキュメントも一緒に更新されるよ。という風な運用にすることもできます。
昨今の生成AI 周り全般によく言われていることですが、できなかった人もできるようになる。というよりもある程度知識のある人、今回だと
- 要件を Copilot にサポートしてもらいながら言語化できる人
- 要件から作成されるオブジェクトにある程度あたりがついてる人
であればさらに開発が加速することになると思います。(精度はいったん目をつぶる)
今回のアップデートは「Platform Shift」の中でも「急激に変化が起こるタイミング」と位置付けられているように、アップデートが盛りだくさんでかつ、既存のやり方に革新が起こっているタイミングだと思っています。
アップデート情報が多く、またそれをどうやって既存開発や業務に組み込んでいけばいいか?と戸惑われる方も多いんじゃないかなーと私は思っていますが、皆さんどうでしょうか??